こんにちは、ケチケチ夫のター坊です。
これまで記載してきました通り、私たちは賃貸併用住宅を建てるにあたって、ペット共生賃貸にする、といヒントをいただきました。
家の周りに公園が多い私たちの土地の特徴を最大に活用しながら差別化を図ることができる!と考えた私たちは、賃貸併用住宅を建てる場合はペット共生賃貸をその選択肢として本格的に視野に入れようと考えました。ちなみにこの時点では賃貸併用住宅を建てる、ということは最終決定はしていませんでしたが・・・
ということで、ペット共生賃貸物件とは何なのか?ということを本格的に調べてみると、そのコンセプトともに出てくる出てくる、色々なメリット、そしていくつかのデメリットが!
ということで、これから2回に分けて、ペット共生賃貸物件について書いていきたいと思います。
まずは、1回目ということで、そもそもペット共生賃貸って何?というところをまとめてみたいと思います。
ペット可賃貸とペット共生賃貸物件の違いとは?
ペットを飼っていい賃貸物件というと、よく”ペット可物件”という表現が使われます。これは、
ペットがいても別に大丈夫ですよ
という発想です。
これらの物件ですが、実はその多くは、
- 最初はペット不可だったが、建物の老朽化などに伴い、空室が目立つようになってきたので、ペットの飼育を許可することで、集客力を高める
- 特にペット不可にする必要はないため、より需要が見込めるペット可物件としている
というものです。つまり、
物件そのものはペットを飼育することが前提になっているわけではない
ということです。
あくまでもペット不可の物件と同じような設備だが、オーナーがペットの飼育を許可しているだけ、というのが”ペット可物件”だと思っています。
これに対して、”ペット共生物件”というのは、
最初からペットを飼っている方が入居することを前提に作られており、飼い主とペットが快適に生活できることを前提に作られた物件
ということになります。
つまり、物件には
- 飼い主がペットを飼育しやすい設備
- ペットが快適に生活しやすい設備
が最初から備わっている賃貸物件ということになります。
ペット共生賃貸の代表的な設備とは?
物件によって差がありますが、ペット共生賃貸物件に取り入れられる代表的な設備をご紹介します。
ペットの足洗い場
これは犬の散歩から帰ってきた時に建物に入る前に洗う足洗い場で、建物の屋外や共用施設部分に設置されていることが多いです。散歩帰りに汚れた足のままだと、賃貸物件の玄関や家の中を汚すことになり、入居者さんは後々に原状回復コストが高くつき、オーナーも清掃費がかかります。また、共有部分も汚れてしまいます。それを避けようとして、犬を抱きかかえて家の中で足を洗うのも大変です。そこで、外に足洗い場を置くことで、共有部分や家の中をできるだけ清潔に保つことができます。
出典:リクシルホームページ
実は、私たちの物件も、この犬の足洗い場を取り入れました。基本的にはただの立水栓なので、ペットの足洗い場として使われなくても、共有部分の清掃用の立水栓、と考えればあって損はありません。初期コストはかかりますが、後に追加すると大がかりな工事が発生するため、私たちの物件は最初につけました。
ドッグラン
ドッグランは大きめのペット共生物件についている場合が多いようで、物件の共有スペースに以下のようなドッグランが用意されていて、ペットを自由に放すことができたり、飼い主同士のコミュニケーションの場としても利用できるようになっているようです。
出典:旭化成ホームズホームページ
私たちの物件は、幸い、家の真裏と道を挟んだ向かいの土地が比較的犬が走り回りやすい東京都の小さな公園になっているほか、歩いて3分くらいのところにかなり大きな公園もあるため、それを”自然のドッグラン”とすることで(柵は無いので野放しにすると危ないですが)、ドッグランはつけませんでした。
正確には、敷地の大きさの限界もあり、ドッグランをつけるなら駐車場を確保したかった・・・というのが大きいですが・・・
リードフック
こちらも主に犬の散歩用ですが、散歩に行く前や帰りにリード(散歩綱)をかけられるフックがペット共生物件にはついている場合が多いようです。散歩帰りにドアの鍵を取り出して鍵を開けるときに一時的にリードをかけておく、または散歩に行く際に、靴を履いている時にリードを一時的にかけておく、など、実は犬の飼い主さんにはかなり重宝されるようです。また、リードかけとしてだけではなく、買い物袋や傘などをかける用途にも使えるため、とても便利です。
出典:旭化成ホームズホームページ
こちらは買い物袋をかけられるなど、多目的で入居者さんも喜ぶだろうと思い即採用しました。とても悩んだところは、玄関ドアの外側だけにつけると散歩に行くときに使い勝手が悪い、内側につけると散歩や外から帰ってきた時に使えない、ということでしたが、悩んだ末、結局、内側と外側の両方につけました。
外側と内側で同じものを付けるのも味気ない、ということで、妻が探してくれた以下のフックをそれぞれつけたのですが、これ、めちゃくちゃ好評です!デザイン性も機能性もとても高く便利です。
<内側>
リードのみならず、買い物袋や傘をかける用にも作られていて、価格もお手頃、設置も楽ですので大変便利。賃貸2つに加え、母世帯の玄関にも付けましたが、かなり重宝しているようです。
<外側>
可愛いデザインで建物の外観を損なわず(ペット共生!という感じがしますし)、重さも10キロまでかけられるので買い物帰りの重い荷物も下げられます。また中型犬が勢いよく動いても外れることがないので、その点も安心です。
ペット対応壁
これは主に犬よりも猫向け?ではないかと思いますが、猫は家の壁紙などでよく爪とぎをします(うちで飼っていた猫もそうでした)。賃貸物件の壁で爪とぎをされると致命的!ということで、最初からペットが接触するであろう壁紙の下部分を変えられるようにしているのがペット対応壁です。この壁のおかげで、もし賃貸物件の壁紙を猫の爪研ぎや犬のおしっこなどで汚してしまっても、壁紙を全て変える必要がなくなり、オーナー側も壁紙貼り替えコストが下がり、入居者さんも原状回復コストが落ちる、というメリットがあります。
出典:旭化成ホームズホームページ
ただ、私たちの物件は、結果的にこちらの対応はしませんでした。いずれ私たちの物件紹介の際に記載しますが、ペット共生物件の場合は、最初から敷金を2カ月いただき、1か月分は全て原状回復ように充てる、という契約が取られていることが多く、その費用で壁紙の貼り替えが賄える、という管理会社からのアドバイスを受け、ペット壁紙対応は取りませんでした。
ペット対応床
ペット対応床、というのは、主に以下の3つの対策がされているものが多いです。
- 滑り止め効果 – ペットはツルツルの床だと爪などの関係で足を滑らせやすく、結果的に年をとるにつれて足腰を悪くすることが結構あります。この床は、足を滑りにくくすることでその危険から動物を守ります。
- 防音効果 – 勢いよく走った時の音や爪の音などを軽減してくれます。ペットの足音を防音する、ということですが人間の足音にも一定効果はあるようです。
- 傷がつきにくく排泄物が染み込みにくい – 木の床材によっては、ペットの排泄物が床に染み込んでしまい、臭いが残ったり、また爪の後がつきやすく、結果として、退去の際は、床を張り替えなければいけない、ということになりかねません。この床はそのリスクを下げることで、物件のメンテナンスコストを下げることに大きくつながります。
多くの場合はクッションフロアという表面がビニール製で木目調などに見えるものが多いですが、中にはタイルのようなものもあるようです。クッションフロアでビニール製というとテカテカした安っぽいものを想像しますが、最近のものもはすごくしっかり作られていて、木のフローリングと見間違えるようなものもあります。
イメージは以下からご確認ください。
ペット対応床については、入居者さんのペットの健康を守ることと、今後の物件のメンテナンスコストを抑えられるという点から、私たちの物件でも採用しました。私たちの賃貸部分ではクッションフロアを導入しています。サンプルを見た時は、ちょっと安っぽいかな?と思ったのですが、実際に敷き詰められた完成後のフロアは、正直、木のフローリングとそこまで遜色ないような印象でした(いずれ写真も公開していきます)
ペット用くぐり戸
写真のように、犬や猫が閉まっているドアでも部屋に行き来できるようなくぐり戸がついています。これが主に役立つのは寝室かなと思います。冬や夏など、飼い主がエアコンをつけて寝室で寝ている場合、ドアは閉めておきたいものですが、ペットは飼い主の就寝中にトイレなどで部屋から出たい可能性があります。その場合、ペットくぐり戸をつけることで、ドアを閉めたままでエアコンで暖めた/冷やした空気があまり逃げることなく、ペットはトイレなど部屋の行き来が可能になります。
出典:積水ハウスホームページ
このペットくぐり戸も、非常に便利だと思い、賃貸部分のドアと猫を飼っている母が住んでいる母世帯部分に即採用しました。が、実は母の猫は、結果的にこのくぐり戸は全く使っていません。老猫ということもあるのかもしれませんが、この自動でバタン!と閉じてしまうくぐり戸が怖いのか、自ら体を入れようとしないのです。何度かしつけをしてみたようですが、結局難しいと諦めていました。
賃貸の入居者さんのところではうまく使われているか分かりませんが、機会があったら聞いてみたいところです。
ペットスペースつきの棚
これは写真のように棚の下にペットが入るスペースを確保する、というものです。猫は狭いところが好きなので、こういうスペースを好み、犬の家もこういったスペースに設置してあげることで、その場所で寝たりするようになる、ということで取り入れる物件もあるようです。また、室内犬の小屋やトイレなどを設置する場合もあるようです。
出典:旭化成ホームズホームページ
が、私たちの物件には導入しませんでした。というのも、これまで犬や猫を飼っていた経験から、犬や猫が専用のスペースで寝たことはほとんどなく、結局のところ、飼い主である私たちのベッドや布団の上や中などで勝手に寝ていることが多く、このスペースを使うことが想像できなかったことと、このスペースがあれば、収納スペースにあてたほうが効果的にスペースを活用できるし、入居者さんにとってもメリットが大きいだろう、と判断したためです。
その他
ほかにも、家の洗面台がペット兼用のもの(ペットの足が洗いやすい造りになっている)だったり、ペットの臭いをとるイオン発生機がついていたり、と物件によって様々な特徴があるようです。ペット共生の高級マンションになると、1階にペット用トリマーが併設されているようなところもあるようです。
ペット共生賃貸物件のまとめ
以上のように、ペット共生賃貸物件とは、
最初からペットを飼うことを前提に飼い主、ペットともに生活しやすい設備が備わっている賃貸物件
になります。
具体的な例としては、ペットの足洗い場、リードフック、ペット用くぐり戸、ペット対応床など、様々な設備が備わっています。
日本では、犬を飼う家は減少傾向にあるものの、猫を飼う家は増加しており、ペットを飼える賃貸を探している世帯は大変多いそうです。一方で、以下のページ等にもありますが(データが古いですが)、賃貸市場においては、”ペット可物件”すらまだまだ少ないのが現状で、それが”ペット共生賃貸”となると需要に対して供給が極端に少ないそうです。
ですので、オーナーの皆さんが動物が嫌いではなく、建物の防音なども含めて、一定の対策が建てられるようであれば、このようなペット共生賃貸は、他物件と差別化を図る上でかなり大きな武器になると思います。
ただし、ペット共生にすることで、物件の差別化を図ることができ多くのメリットがある一方、当然臭いや騒音問題を始めとしたデメリットもあります。ですので、このメリット、デメリットをしっかり検討した上で最終的な判断を行うことが重要だと思います。
この、ペット共生賃貸にすることのメリット、デメリットについては、また次の記事としてまとめたいと思います。
コメント